テンダーラビングケアとは
不育症の治療法の一つとして「テンダーラビングケア」があります。患者様に対して優しさと愛情を持ち、思いやりをもって接することを基本とする治療法です。妊娠前から妊娠中におけるこの精神的ケアの提供は、生児獲得率を向上させる可能性があるとされています。不育症診療で十分な証拠のある唯一の治療といってもよいかもしれません。
不育症のメカニズムはまだ完全に解明されていませんが、精神的なストレスが流産に影響を及ぼす可能性が考えられています。そこで、当院では不育症に積極的に向き合うために、テンダーラビングケアのアプローチを積極的に導入し、患者様をサポートしたいと考えています。
妊娠前のテンダーラビングケア
妊娠前のテンダーラビングケアでは、不育リスク因子を適切にスクリーニングし、次回の妊娠に備えるための体制を整えることが安心につながります。
また、ご夫婦で不育症に関する共通の理解を深めることも、不育症に立ち向かう上で非常に重要です。ぜひ、ご夫婦での受診をお勧めいたします。
妊娠後のテンダーラビングケア
妊娠後のテンダーラビングケアにおいて、当院では妊娠初期の超音波検査が特に意義深いものと考えています。流産への不安は非常に大きなものであると認識しており、患者様が抱える不安やストレスに気づき、対処できるようサポートいたします。妊娠10週前後まで、週に1回の超音波検査をお勧めしており、その際にどんな些細なことでもお気軽にご相談いただける環境を整えています。患者様が少しでも安心できる状態で不育症を克服し、健康な妊娠を迎えることを考えています。