低用量ピル(経口避妊薬)
低用量ピルは、避妊の効果のほかにも、様々な女性の健康に関する利点があります。月経痛、月経前症候群(PMS)、過多月経などの生理に関連した不快な症状の緩和、生理不順の改善と月経周期の安定化、子宮内膜症の症状緩和や子宮内膜の増殖を抑制することによる子宮内膜症の改善、子宮体がんや卵巣がんの予防、排卵痛の軽減、特別なイベントに合わせた月経の調整、にきびや肌荒れの改善など、多岐にわたる利点があります。
低用量ピルは、定期的に服用することで高い避妊効果を発揮しますが、服用を中止すれば数か月で妊娠が可能になるため、将来的に妊娠を考える方にも適しています。
低用量ピルの服用方法
低用量ピルは、1日1回、1錠ずつ服用します。特に服用する時間や食事前後に厳格な制約はありませんが、一貫した服用タイミングを守ることが大切です。例えば、夕食後や就寝前など、自分に合ったルールを設定することがお勧めです。
低用量ピルの副作用
頭痛、吐き気、不正出血、乳房の張り、倦怠感などがあります。極めてまでですが重篤な副作用として血栓症があり、喫煙や肥満・年齢との関連が指摘されております。
低用量ピル
アンジュ28 (現在お取り扱いしておりません)
アンジュ28は、生理の初日から5日目までに服用を始め、1日1錠を毎日同じ時間に摂取してください。赤褐色の錠剤を6日間、白色の錠剤を5日間、黄色の錠剤を10日間、赤色の錠剤を7日間連続で服用します。1シートを終えた翌日から、次のシートの左上に「1」と書かれている赤褐色の錠剤から順番に摂取してください。
トリキュラー28(後発品を取り扱っております)
トリキュラー28は、生理の初日から5日目までに服用を始め、1日1錠を毎日同じ時間に摂取してください。赤褐色の錠剤を6日間、白色の錠剤を5日間、黄色の錠剤を10日間、白色の錠剤を7日間連続で28日間服用します。1シートを終えた翌日から、次のシートの左上に「1」と書かれている赤褐色の錠剤から順番に摂取してください。
ラベルフィーユ28(取り扱いあり)
ラベルフィーユ28は、トリキュラー28と同じ成分の後発品(ジェネリック)です。成分は同じですが、製造方法などが異なることがあります。生理の初日から5日目までに服用を始め、1日1錠を毎日同じ時間に摂取してください。赤褐色の錠剤を6日間、白色の錠剤を5日間、黄色の錠剤を10日間、白色の錠剤を7日間連続で28日間服用します。1シートを終えた翌日から、次のシートの左上に「スタート 1」と書かれている赤褐色の錠剤から順番に摂取してください。
マーベロン28(後発品を取り扱っております)
マーベロン28は、第三世代のデソゲストレル(DSG)を黄体ホルモンとして使用する特徴があります。第三世代の黄体ホルモンは、男性ホルモンに関連する皮脂の過剰分泌を抑えることでニキビの改善が期待されます。生理の初日から5日目までに服用を始め、1日1錠を毎日同じ時間に摂取してください。白色の錠剤を21日間、緑色の錠剤を7日間連続で28日間服用します。1シートを終えた翌日から、次のシートの左上から「スタート」に矢印が描かれている順番に摂取してください。
ファボワール28(取り扱いあり)
ファボワール28は、マーベロンの後発品(ジェネリック)で、同じ成分を含んでいます。生理の初日から5日目までに服用を始め、1日1錠を毎日同じ時間に摂取してください。白色の錠剤を21日間、緑色の錠剤を7日間連続で28日間服用します。1シートを終えた翌日から、次のシートの左上から「スタート」に矢印が描かれている順番に摂取してください。
アフターピル
(緊急避妊薬)
アフターピルは、緊急避妊薬の一種で、英語ではEmergency Contraception(EC)と略されます。コンドームの破損、低用量ピルの飲み忘れ、望まない性行為などがあった場合、特定の時間枠内に服用することで、高い確率で避妊効果を得ることができます。最も一般的に使用されているのは、レボノルゲストレルという薬物で、この薬はホルモンの働きを制御し、排卵を遅らせる作用があります。性行為の後24時間以内に服用すれば95%、72時間以内であれば85%の確率で避妊ができるとされていますが、時間が経過するにつれて避妊効果は低下します。ただし、アフターピル(緊急避妊薬)は医師の処方箋が必要です。
緊急避妊薬が必要な場合は、速やかにご相談ください。
アフターピルの服用方法
日本ではレボノルゲストレルを含むいくつかの薬物がアフターピルとして承認されています。これらの薬物には服用方法などに異なる点があります。アフターピルは、避妊に失敗した可能性がある性行為の後、できるだけ早く服用することが重要で、服用のタイミングが遅れると避妊の成功率が低下するため、速やかにご相談ください。
WEB予約できない場合は、お電話でお問い合わせください。
緊急避妊薬の処方は、受付時間内であれば当日対応可能です。(対象となるのは性行為の後72時間以内の方となります)
アフターピルの副作用
頭痛、吐き気、嘔吐などがあります。
当院で取り扱いのある
アフターピル
レボノルゲストレル法(商品名:ノルレボ/レボノルゲストレル)
レボノルゲストレル法は、日本で2011年から利用可能な緊急避妊薬です。この方法は、黄体ホルモンであるレボノルゲストレルを主成分としています。妊娠阻止率は84~95%程度とされています。
レボノルゲストレル法では1回1錠の服用で済みます。また、ヤッペ法(従来法)と比べて効果と安全性が高いとされています。1回の使用について9千円ほどかかります。
1相性と3相性の違い
ピルには通常、2つのホルモン成分、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)が含まれています。これらのホルモンの配合比率によって、日本では1相性ピルと3相性ピルの2つに分類されます。
1相性ピル
1相性ピルには、全ての有効成分の粒でエストロゲン・黄体ホルモンの配合比率が同じです。
3相性ピル
3相性ピルには、エストロゲン・黄体ホルモンの配合比率が月経周期の異なる段階に合わせて変化します。自然な月経周期では、排卵後の後半期(月経開始日から2週間後以降)に黄体ホルモンが増加するため、3相性ピルではこの自然なサイクルに近づけるようにホルモンが段階的に調整されます。そのため、三相性ピルはより不正出血の発生が低いと言われています。
効果に関しては1相性・3相性で違いはありません。月経関連でお困りの方は保険診療でLEPとして処方も可能です。