デリケートゾーンかゆい？
デリケートゾーンのかゆみの主な原因は、「かぶれ」と「感染症」の二つに分けられます。
「かぶれ」は、主に下着の摩擦、デリケートゾーンの湿度、そして女性の場合、生理用ナプキンの使用などが原因となります。このような要因によってかぶれが生じることがあります。
一方、「感染症」は、細菌、ウイルス、真菌（カビ）などの病原体に感染することによって引き起こされます。特にデリケートゾーンの皮膚は他の体の部分と比べて粘膜に近く、常に下着などで覆われた状態であるため、湿度と温度が高く、蒸れやすい環境にあります。また、汗や汚れもたまりやすい部位であるため、かぶれや感染症が発生しやすい条件が揃っています。特に、カンジダという真菌（カビ）による感染はよく見られます。
デリケートゾーンかゆみ
の原因
かぶれ
「かぶれ」は、正確には「接触皮膚炎」と呼ばれ、外部からの刺激によって皮膚が炎症を起こす状態です。皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3つの層からなり、外側の表皮は体を刺激から守るバリアとして機能しています。しかし、このバリア機能でも防ぎきれない刺激があると、かぶれが発生します。かぶれの原因としては、皮脂、汗、温度、乾燥などが挙げられ、個人の体質によって特定の物質に対するアレルギー反応がある場合もあります。女性の場合、生理中のナプキンやタンポンの使用、経血による湿度などがかぶれを引き起こす原因となります。男性の場合は、衣服による湿度や、コンドームの素材に対するアレルギー反応などが考えられます。ビデの不適切な仕様や洗いすぎによる皮脂欠乏によるバイア機能の低下も原因となります。
性感染症
性感染症（STD）を含む感染症がデリケートゾーンのかゆみの原因となります。性感染症は性的な接触によって感染する病気で、粘膜は皮膚よりもバリア機能が弱いため、細菌、ウイルス、真菌（カビ）などの病原体が入り込みやすい部位です。また、デリケートゾーンは高温多湿で、皮脂や汚れがたまりやすい環境であり、これらの条件は感染症の病原体にとって繁殖しやすい条件となります。感染症は性行為によって感染することが一般的ですが、性行為に限らず感染経路が存在し、たとえば常在菌として体内に潜んでいる場合や、公共の浴場などでも感染が広がることがあります。
感染症によるデリケートゾーンのかゆみの例として、以下のような病気が挙げられます。
性器ヘルペス
単純ヘルペスウイルスによる感染で、男女ともに水泡や潰瘍ができ、強い痛みが伴います。
性器クラミジア
クラミジア・トラコマティスという細菌による感染で、不妊の原因となることがあります。
膣トリコモナス症
膣トリコモナスという原虫による感染で、女性では悪臭のあるおりものの増加やかゆみが起こります。
性器カンジダ症
カンジダという真菌による感染で、女性ではヨーグルト状のおりものの増加やかゆみが起こります。
いんきんたむし症
白癬菌による感染で、男性に強いかゆみを引き起こします。感染は性行為だけでなく、接触によっても広がることがあります。
毛ジラミ症
毛ジラミによる感染で、男女ともにかゆみを伴います。感染は性行為や接触によって広がります。