不正出血とは
不正出血とは、通常の月経周期外に起こる子宮からの出血のことを指します。通常の生理周期では、子宮内膜が厚くなり、その後剥がれて出血が起こります。しかし、不正出血ではこのサイクルに合わず、予定外の時期や量で出血が生じます。不正出血の原因はさまざまで、ホルモンのバランスの乱れ、子宮内膜の異常、卵巣の問題、子宮筋腫などが関与することがあります。月経周期の乱れや異常出血の症状を引き起こすことがありますので、原因に応じた治療が必要です。
不正出血と生理の違いは？
不正出血と生理の違いには、下記のような点があります。
タイミング
生理は通常の月経周期に沿って起こる出血であり、一般的に25日～38日程度の周期で訪れます。一方、不正出血は予定外の時期や周期外に起こる出血です。
量と期間
生理では、子宮内膜が剥離し出血するため、一定の期間（通常4〜7日間）にわたって量の多い出血があります。不正出血は、生理と比べて量が少ない場合や、長期間続く場合があります。
原因
生理は、子宮内膜の剥離と再生が正常に行われる生理的なプロセスです。一方、不正出血は、ホルモンのバランスの乱れ、子宮内膜の異常、卵巣の問題、子宮筋腫など、さまざまな原因によって引き起こされることがあります。
パターン
生理は通常、一定のパターンで起こるため、女性は予測しやすい周期を持つことができます。不正出血は、予測不可能で不規則な出血が起こるため、予測しにくい特徴があります。
不正出血原因は？
不正出血の原因はさまざまですが、下記のようなことが考えられます。
ホルモンのバランスの
乱れ
卵巣機能の変化、甲状腺の問題、多嚢胞性卵巣症候群（PCOS）など、ホルモンの異常が不正出血を引き起こすことがあります。
子宮内膜の異常
子宮内膜の異常な成長やポリープ、子宮筋腫などがある場合、出血が起こる可能性があります。
卵巣の問題
卵巣の嚢腫や卵巣炎、卵巣の機能低下など、卵巣に関連する問題が不正出血を引き起こすことがあります。
妊娠関連の問題
流産や着床前出血、異所性妊娠（子宮以外の場所での妊娠）など、妊娠に関連した問題が不正出血を引き起こすことがあります。
出血性障害
凝固異常や血小板減少症などの出血性障害が不正出血を引き起こすことがあります。
薬物の副作用
特定の薬物（抗凝固薬、ホルモン補充療法、抗がん剤など）の使用によっても不正出血が生じることがあります。
不正出血が起きる
タイミングによる
原因の違い
不正出血の起きるタイミングによって原因が異なることがあります。
生理周期中の出血
生理周期中に起こる不正出血は、卵胞期短縮や黄体機能不全、子宮内膜の異常などが原因となることがあります。
生理周期外の出血
生理が終了してから次の生理が始まる前に起こる出血は、排卵期出血と呼ばれることがあります。これは排卵の際に一時的に起こる出血で、通常は軽度で自然に治まります。
妊娠への影響なないものと考えて大丈夫です。まれに卵管溜水腫や帝王切開瘢痕部症候群による出血の可能性がありますので繰り返す方は一度ご相談ください。
避妊やホルモン療法中の出血
避妊方法やホルモン療法（例：経口避妊薬）を使用している場合、その副作用として不正出血が起こることがあります。ホルモンのバランスの変化や子宮内膜の反応が原因です。
更年期の出血
更年期に近づくと、卵巣機能の低下によりホルモンのバランスが乱れ、不正出血が起こることがあります。これは更年期の兆候の一つです。
不正出血の色が気になる
不正出血の色は、個人や原因によって異なる場合があります。一般的には茶色やピンク色の出血が見られることがありますが、これは古い血液が酸化して変色するためです。出血の色が気になりましたらご相談ください。
不正出血で注意が必要な
状況はある？
下記のような状況の場合、一度婦人科を専門とする医師までご相談いただくことを推奨します。当院でも対応しています。お気軽にご相談ください。
大量の出血が続く場合
通常の生理と比べて異常に多い出血が続く場合は、医師の診察が必要です。大量の出血は貧血や他の健康問題の兆候となる場合があります。
長期間にわたる出血
通常の生理期間よりも長期間にわたって出血が続く場合は、医師に相談しましょう。持続的な出血は子宮内膜異常やホルモンのバランスの問題を示す可能性があります。
痛みや不快感を伴う出血
出血が激しい痛みや不快感とともに起こる場合は、異常の兆候となります。これは子宮内膜異常や炎症、感染症、子宮筋腫などの問題を示す可能性があります。
不正出血が周期的に続く場合
定期的に不正出血が起こる場合は、医師に相談しましょう。周期的な出血はホルモンバランスの問題や卵巣の異常などを示す可能性があります。